【DMMバヌーシー2026】2期ジョイカネラの2025|父コントレイル・母は亜GⅠ2勝・9,800万円の最高額馬を検討

DMMバヌーシー2026年2期募集馬「ジョイカネラの2025」は、アルゼンチンGⅠを2勝した母ジョイカネラに無敗の三冠馬コントレイルを配した、2期最高額9,800万円の期待馬です。血統の格・母の現役実績・中内田充正厩舎という陣営は2期でも最上位クラスで、セレクトセール落札価格1億120万円を下回る募集総額という点でも良心的な設定になっています。一方で右前副手根骨の骨片除去手術の既往と保険不担保の可能性、2期最大級の馬格、そして予算上限の超過という重い材料が重なるため、自分の判断軸では×(見送り)としました。

募集概要:ジョイカネラの2025

性別
毛色黒鹿毛
生年月日2025年2月22日
生産牧場ノーザンファーム
育成牧場ノーザンファーム
予定厩舎中内田充正(関西・栗東)
募集総額9,800万円
募集口数2,000口
一口出資金49,000円
月額維持費350円
年間保険料1,862円
月額会費880円(税込)

キャッチコピーは「新時代を照らすシャープな残像 鋭いフットワークで頂点を目指せ」。1次募集は2026年8月27日〜9月10日(木)23:59で、この期間は合計20%のキャッシュバック(アミールトロフィー優勝記念第2弾10%+早期購入10%/一人2口まで)が適用され、実質負担額は39,200円/口となります。9月16日〜10月31日は10%、11〜12月は5%と段階的に下がる設計です。

体格(2026年8月10日時点)

体重502kg
体高165.0cm
胸囲179.0cm
管囲21.8cm

体高165.0cm・体重502kgはいずれも2期で最大級です。1期と比べても体高165.0cmは最大値(1期最大はジャンナスキッキの160.0cm)にあたります。クラブは「四肢が長くすっきりしたシルエット、全体にシャープで線が細い」「縦の成長が先行している証拠」と説明しており、太いのではなく背の高い大型馬という位置づけです。縦の成長が先行するタイプは、体が出来上がるのを待つ間に脚元へ負担がかかりやすい面もあり、大型馬を避けたい方にとっては留意点となります。


特記事項:右前副手根骨の骨片除去手術と、歩様の印象

本馬を検討するうえで最も重要なのが、クラブ公式に記載されている特記事項です。2026年5月15日に右前副手根骨の骨片除去手術を実施しており、術後の経過は良好で現在は問題ないとされる一方、競走馬保険において既往歴を原因とする事故については不担保となる可能性があることが明記されています。

手術日2026年5月15日(1歳春・入厩前)
部位右前 副手根骨(腕節=ヒザの後方にある骨)
クラブの現況説明術後経過良好・現在は問題なし
金銭的リスク既往歴に起因する事故は競走馬保険が不担保になる可能性
一般的な予後腕節の関節鏡下骨片除去は1歳期に比較的よく行われる処置で、828頭を対象とした調査では術後82%が出走し、うち69.5%が術前と同等以上の成績。ただし副手根骨は骨片除去の部位としては一般的ではない

歩様動画を見ての個人的な所見

クラブが公開している歩様ムービーを実際に確認したところ、キレイにしっかり歩けている印象を受けました。手術から約3か月半という時点で歩様が素直に良く見えたことは、映像から得られる数少ない一次情報として、素直にプラス材料と受け止めています。

観点評価
クラブの説明との整合「術後の経過は良好で、現在は問題ありません」という記載と矛盾しない
大型馬としての懸念に対して成長期の大型馬にありがちな四肢の連動の乱れが、現時点では見て取れない
手術部位(右前)への影響左右差やかばう素振りが目立たず、患部が現時点の運動に影響していない傍証になる

「現時点で異常が見える馬」ではなく「既往歴と保険不担保という条件面のリスクを抱えた馬」と整理するのが正確です。現在の状態そのものを理由に減点する必要はなくなりましたが、条件面のリスクは残ります。


血統

コントレイル(無敗の三冠馬・2020年)
ジョイカネラ(Joy Canela/アルゼンチン産)
母の父Fortify(USA)
母の母Stormy Catlike(アルゼンチン産)

血統の見どころ:日本にない血を三冠馬に掛ける

5代血統表ではフォーティナイナー4×5Storm Cat 4×5の2本のクロスを持ちますが、サンデーサイレンスのクロスはありません。父コントレイル(ディープインパクト系)に対して母系が完全な米国・南米系で構成されており、血の重複が少ないアウトブリード寄りの配合です。フォーティナイナーとStorm Catの二重クロスはスピードとパワーを補強する形で、日本の芝中距離を狙う組み立てとしては素直な配合といえます。

  • 母系は完全なアルゼンチン血統。母ジョイカネラは亜産、母父Fortifyは米国産、母母Stormy Catlikeも亜産で、「日本にない血」を父コントレイルに掛けるためにノーザンファームが輸入繁殖として狙って持ち込んだ配合とうかがえます
  • 母の勝ち鞍が芝2000mとダート1600mの両方でGⅠという点は珍しく、好走レンジの広さ=底の見えなさとして評価できます


母馬:ジョイカネラ プロフィール

産地アルゼンチン
Fortify(USA)
Stormy Catlike(アルゼンチン産)
競走成績8戦4勝
主な勝鞍アルゼンチンGⅠ 2勝(芝2000m/ダート1600m)
現況輸入繁殖牝馬(ノーザンファーム)

わずか8戦で4勝、うちGⅠが2つという凝縮された戦績です。しかも芝2000mとダート1600mという異なる条件でGⅠを勝っており、能力の絶対値と適性の広さの両方を示しています。2期10頭の母のなかでは最上位クラスの現役実績といえます。

母の産駒一覧(半兄姉)

年産馬名性別成績備考
2022カネラフィーナFrankel10戦5勝 [5-2-0-3]手塚貴久(美浦)/シルクレーシング。新潟牝馬S(L)1着ジューンS(OP)1着。重賞は中山金杯4着・福島牝馬S7着・中京記念8着で未勝利
2023(馬名なし)キズナ0戦0勝・未デビューセレクトセール1億6,500万円。2026年8月時点で3歳ながら馬名・調教師・馬主のいずれも未登録
2024ゴールデンプロミスコントレイル0戦0勝(2歳)セレクトセール2億900万円。馬主 藤田晋/矢作芳人厩舎。本馬の全兄
2025本馬コントレイルセレクトセール1億120万円

良い材料は、初仔カネラフィーナがリステッド競走とオープン特別を勝ち、重賞でも人気を背負う位置まで到達していることです。繁殖牝馬としての実証はすでに一定水準にあります。

一方で警戒したいのが、2023年産(キズナ産駒)が1億6,500万円で取引されながら、3歳夏になっても未デビューで馬名すら付いていない点です。理由は公表されていませんが、高額取引馬がここまで動けていないのは脚元や体質面のトラブルを疑わせます。本馬自身が1歳春に骨片除去手術を受けていることと合わせると、この母系に脚元・成長面のリスクが潜んでいる可能性は否定しにくいところです。なお同じコントレイル配合の全兄ゴールデンプロミス(2億900万円)も2歳現在まだ未出走で、配合の答え合わせができていない状況です。

市場価格と募集総額の関係

2025年セレクトセール 落札価格1億120万円
バヌーシー募集総額9,800万円
差額−320万円(購買価格を下回る)

募集総額が購買価格を下回っており、クラブが利益を乗せていない市場評価に対しては割安な設定です。


コントレイル産駒の特徴

項目傾向
距離芝中距離(1800〜2400m)
馬場芝が主戦場
成長曲線3歳春に急激に伸びるタイプが目立つ晩成寄り
初年度産駒の勝ち上がり119頭中36頭(約3割)
産駒の重賞勝ちゴーイントゥスカイ(青葉賞・GⅡ)、コンジェスタス(京都新聞杯・GⅡ)
母父配合の傾向本馬は母系が米・南米系でサンデーサイレンスのクロスなし。フォーティナイナー4×5、Storm Cat 4×5

初年度から重賞2勝、ダービーに2頭を送り込むという種牡馬として上々の滑り出しです。ただし2歳戦での早期活躍型ではなく、3歳春に本格化する晩成寄りの傾向が現時点のデータから読み取れます。母ジョイカネラが8戦で引退している点も含め、「デビューまで待てるかどうか」がこの馬の出資の肝になります。クラブも半姉カネラフィーナの適距離(芝1800〜2200m)と合わせて、狙いは芝1800〜2400mのクラシック路線と説明しています。

予定厩舎:中内田充正(関西・栗東)

所属栗東(関西)
デビュー2012年(15年目)
通算勝利中央 493勝
重賞50勝(うちGⅠ 8勝)
通算獲得賞金中央 115億9,840万円
代表馬ダノンプレミアム、クイーンズウォークほか

実力・実績とも文句なしのトップ厩舎です。ノーザンファームでの生産・育成一貫という体制と合わせ、陣営面は2期でも最上位といえます。


配合評価

プラス材料

  • 母ジョイカネラが8戦4勝・亜GⅠ2勝。芝2000mとダート1600mの二刀流GⅠ勝ちは能力の高さと適性の広さの両方を示し、2期の母のなかでは最上位クラス
  • 半姉カネラフィーナが新潟牝馬S(L)・ジューンS(OP)を勝利し、繁殖牝馬としての実証がすでにある
  • 父コントレイルは初年度から重賞2勝・ダービー2頭出走と順調な立ち上がり
  • 募集総額9,800万円がセレクトセール購買価格1億120万円を下回る、市場評価に対して割安な設定
  • 1次募集なら20%キャッシュバックで実質39,200円/口
  • 中内田充正厩舎はGⅠ8勝のトップ厩舎、生産・育成もノーザンファーム一貫
  • サンデーサイレンスのクロスがなく、血の重複が少ないアウトブリード寄りの配合
  • 歩様動画の印象が良好で、術後の動きに不安を感じさせない

マイナス・注意点

  • 右前副手根骨の骨片除去手術(2026/5/15)の既往があり、競走馬保険が不担保になる可能性をクラブが明記。9,800万円の馬に対して保険が効かない部位があるのは重い
  • 体重502kg・体高165.0cmで2期最大級。縦の成長が先行しているタイプは脚元への負担が読みにくい
  • 募集総額9,800万円・一口49,000円と、2期で突出して高額
  • 予定厩舎が関西(栗東)で、関東在住だと現地観戦がしにくい
  • 2023年産(キズナ産駒・1億6,500万円)が3歳夏になっても未デビュー・馬名なし。母系に成長面のリスクが潜む可能性
  • 同配合の全兄ゴールデンプロミス(2億900万円)も2歳現在未出走で、配合の答え合わせができていない
  • コントレイル産駒は3歳春本格化型で、2歳戦から楽しめる可能性は高くない

総評

観点評価
母の現役実績(亜GⅠ2勝・8戦4勝)◎◎
繁殖成績(半姉カネラフィーナのL勝ち)
父コントレイルの立ち上がり
配合(クロス構成・アウトブリード)
歩様動画の印象
脚元(副手根骨手術・保険不担保)×
馬体サイズ(502kg/165.0cm、2期最大級)×
母系の未デビュー馬(2023年産)の存在
厩舎◎(ただし関西)
価格・総額市場評価比では割安(−320万円)だが、絶対額は2期最高の9,800万円


出資判断軸チェック

判断軸適合状況
関東馬かどうか✗ 中内田充正(栗東・関西)
募集総額(上限7,000〜8,000万円)9,800万円で1,800万円超過
大型馬・脚元不安・体質不安の有無✗ 502kg/165.0cmで2期最大級、副手根骨骨片除去の既往と保険不担保の可能性あり。ただし歩様動画の印象は良好で、現在の状態そのものを理由にした減点は不要と判断
内国産馬かどうかノーザンファーム(安平町)生産=内国産馬

個人的な判断軸での出資判断:×(見送り)

血統の格、母の現役実績、厩舎の質、市場評価に対する価格差だけを見れば、2期でも最上位クラスの一頭です。1次募集の20%キャッシュバックで実質39,200円という条件も魅力的で、内国産馬という点でも問題はありません。歩様ムービーの印象も良く、現在の状態そのものを理由に減点する必要はないと考えています。

それでも自分が見送るのは、「長く無事に走り続ける姿を見たい」という出資の動機に対して、逆方向を向く材料が重なりすぎているためです。副手根骨の骨片除去手術の既往と保険不担保の可能性、2期最大級の馬格、母系に1億6,500万円で取引されながら3歳夏まで未デビューの馬が存在すること。この3つは互いに独立した材料ではなく、同じ方向を指しています。加えて募集総額9,800万円は予算上限を1,800万円超過し、関西所属という条件も重なります。

これはあくまで「関東・総額7,000〜8,000万円まで・脚元不安は避ける」という自分の判断軸を当てはめた結果です。判断軸が違えば結論も変わる馬で、「9,800万円・関西・脚元既往・保険不担保」を承知のうえで血統と母の実績に賭ける、という考え方は十分成り立つと思っています。1次募集の締切は2026年9月10日(木)23:59で、これを過ぎるとキャッシュバックが20%から10%に下がります。

参考リンク

※一口馬主・出資に関する記載は個人的見解です。出資判断は自己責任でお願いします。