【DMMバヌーシー2026年2期】キストゥヘヴンの2025|桜花賞馬の初の牝馬産駒を1,900万円で買えるか

DMMバヌーシー2026年2期募集馬「キストゥヘヴンの2025」は、2006年の桜花賞馬キストゥヘヴンにルーラーシップを配した牝馬です。母を管理して初重賞・初GⅠをもたらした戸田博文厩舎に入り、募集総額は1,900万円(一口9,500円)。トニービン3×4・ノーザンテースト4×3という名牝2頭を介した二重クロスに加えて、母27戦・半兄37戦という一族の頑健さが実データで裏付けられています。母21歳9か月時の産駒である点は正直に留保が必要ですが、自分の判断軸では◎(本命・最有力)としました。

募集概要:キストゥヘヴンの2025

性別
毛色鹿毛
生年月日2025年2月13日(2期で最も早生まれ)
生産牧場オリオンファーム(日高町)
育成牧場オリオンファーム(生産・育成一貫)
予定厩舎戸田博文(関東・美浦)
募集方式抽選募集
募集総額1,900万円
募集口数2,000口
一口出資金9,500円
月額維持費350円
年間保険料361円
月額会費880円(税込)

キャッチコピーは「栄光のターフで交わす勝利の口づけ 血脈がつなぐ新たな桜のストーリー」。1次募集は2026年9月10日(木)23:59までで、この期間は合計20%のキャッシュバック(一人2口まで)が適用され、実質負担額は7,600円/口となります。9月16日〜10月31日は10%(8,550円)、11〜12月は5%(9,025円)と段階的に下がる設計です。年間保険料361円と維持コストが軽いのも、長く付き合ううえでは効いてきます。

体格(2026年8月11日時点)

項目数値2期10頭中の位置
体重453kg3位
体高155.0cm4位タイ
胸囲177.0cm3位
管囲20.1cm中位

牝馬としては上々のボリュームです。2期の牝馬4頭(398〜453kg)のなかでは最大ですが、体高155.0cmは標準の範囲で、突出した大型馬ではありません。胸囲177.0cmが体高の割に大きく、幅と奥行きのある造りであることを示しています。1期の◎シンハリングの2025(406kg・157.0cm・21.0cm)と比べると背は少し低い一方、47kg重く胸囲も7cm大きい体型です。管囲20.1cmは平均的で、脚元に過度な負担がかかる比率ではありません。

クラブのピックアップコメントでは、桜花賞馬である母を想起させる大きな流星と、放牧地で見せる柔らかくも軸のぶれない走りが挙げられており、前後の連動性に優れたフットワークからスピードの持続力がイメージできると評価されています。


血統

ルーラーシップ(キングカメハメハ × エアグルーヴ)
キストゥヘヴン(2006年 桜花賞馬・重賞4勝)
母の父アドマイヤベガ(1999年 ダービー馬)
母の母ロングバージン(ノーザンテースト産駒)

血統の見どころ:名牝を介した二重クロス

クロス系統意味
トニービン 3×4エアグルーヴ(父の母)× ベガ(母の父の母)スタミナ・末脚の持続力。日本のオークス級名牝2頭を介した濃いクロス
ノーザンテースト 4×3ダイナカール(父の母の母)× ロングバージン(母の母)「生涯で3度変わる」と言われる成長力と息の長さ

5代血統表で確認したところ、サンデーサイレンスのクロスはありません(母の父アドマイヤベガの父として1本入るのみ)。近年の日本の配合で過剰になりがちなSSクロスを避けつつ、トニービンとノーザンテーストという「持続力」「成長力」の血を重ねた構成になっています。しかもクロス元がエアグルーヴ(オークス・天皇賞秋)とベガ(桜花賞・オークス)という日本競馬史に残る名牝2頭で、牝馬である本馬にとってこれ以上ないくらい筋の通った牝系構成といえます。

  • 父ルーラーシップ × 母の父アドマイヤベガは、いずれも日本の主流から少しズレた「非サンデー系寄り」の組み合わせ。切れ味一辺倒ではなく、持続力型の中距離馬が想定されます
  • 父ルーラーシップは母エアグルーヴを通じてトニービン+ノーザンテーストを持ち込み、母キストゥヘヴンも母の父アドマイヤベガ経由のトニービン、母の母ロングバージン経由のノーザンテーストを持ちます。両親が同じ2本の血を別ルートで持っている=再現性の高い配合です
  • クラブは「母のマイル適性を残しつつ、オークスまで楽にこなせる柔軟性」と評価。父の平均勝ち距離(芝1,871m)と母の主戦場(芝1600〜1800m)の中間を狙う形で、芝1600〜2000mが想定レンジになりそうです


母馬:キストゥヘヴン プロフィール

生年月日2003年4月25日(本馬出産時 21歳9か月
毛色鹿毛
生産牧場正和山本牧場(門別町)
アドマイヤベガ
ロングバージン(ノーザンテースト産駒)
セリ取引価格1,018万円(2004年 北海道オータムセール)
競走成績27戦5勝 [5-4-2-16]
獲得賞金3億2,898万円(中央)
主な勝鞍桜花賞(GⅠ)、フラワーC(GⅢ)、京成杯オータムH(GⅢ)、中山牝馬S(GⅢ)
管理調教師戸田博文(美浦)=本馬と同じ

母の主な戦績

日付レース着順
2006/03/053歳未勝利(中山・芝1600m)1着
2006/03/18フラワーC(GⅢ)1着(6番人気)
2006/04/09桜花賞(GⅠ)1着(6番人気)
2006/05/21優駿牝馬(GⅠ)6着(2番人気)
2006/10/15秋華賞(GⅠ)6着(3番人気)
2007/05/13ヴィクトリアマイル(GⅠ)4着
2008/05/17京王杯スプリングC(GⅡ)2着
2008/09/14京成杯オータムH(GⅢ)1着
2009/03/15中山牝馬S(GⅢ)1着(6歳時)

未勝利戦(3/5)→ フラワーC・GⅢ(3/18)→ 桜花賞・GⅠ(4/9)を1か月余りで3連勝という、日本競馬史でも稀な駆け上がり方をした桜の女王です。しかもいずれも6番人気前後の伏兵評価でした。重賞はGⅠ1勝+GⅢ3勝の計4勝。特筆すべきは6歳3月の中山牝馬Sまで勝ち続け、通算27戦を走り切ったことで、GⅠでも複数回の掲示板を確保しており、息が長く頑健なタイプでした。

母の産駒一覧(全12頭)

年産馬名成績備考
2010ファミーユチチカステナンゴ15戦3勝地方
2011アヴェクトワチチカステナンゴ6戦0勝
2012アンドトゥモローハービンジャー20戦2勝地方
2013(キストゥヘヴンの2013)キングカメハメハ未出走
2014ジュローズワークフォース4戦0勝
2015アマイロオルフェーヴル18戦1勝地方C3
2016ガロシェルーラーシップ29戦2勝 [2-7-9-11]本馬と同じ父。JRA1勝クラス。サンデーレーシング/戸田博文厩舎
2018タイムトゥヘヴンロードカナロア37戦2勝ダービー卿チャレンジT(GⅢ)勝ち。DMMドリームクラブ/戸田博文厩舎(3,800万円募集)
2019エールトゥヘヴンロードカナロア33戦2勝DMMドリームクラブ/戸田博文厩舎(2,800万円募集)
2022ヘヴンリーゴールロードカナロア22戦4勝地方C3
2023ウインドオブヘヴンロードカナロア10戦0勝(現3歳)DMMドリームクラブ/戸田博文厩舎(4,800万円募集)
2025本馬ルーラーシップ1,900万円

※2017・2020・2021・2024年は産駒なし(空胎)です。

産駒一覧から読める3つの事実

① JRAで勝ち上がった3頭は全員「キングカメハメハ直仔」産駒

馬名父の父
タイムトゥヘヴンロードカナロアキングカメハメハ
エールトゥヘヴンロードカナロアキングカメハメハ
ガロシェルーラーシップキングカメハメハ

12頭中JRA勝ち上がりはわずか3頭ですが、その3頭すべてがキングカメハメハ系です。チチカステナンゴ、ハービンジャー、ワークフォース、オルフェーヴルではJRAで勝てていません。本馬はルーラーシップ産駒=実証済みの「当たり配合」ラインにあり、クラブの配合診断もこの点を明示しています。

② この牝系は極めて頑健で「長く楽しめる」

出走回数
母 キストゥヘヴン27戦
タイムトゥヘヴン37戦
エールトゥヘヴン33戦
ガロシェ29戦
ヘヴンリーゴール22戦
アンドトゥモロー20戦
アマイロ18戦
ファミーユ15戦

走った馬はほぼ全頭が20戦以上を消化しています。脚元や体質で早々にリタイアした形跡がなく、ノーザンテースト4×3の「息の長さ」が実際の戦績にも表れています。自分が一口馬主に求めているのは「長く出走を見続けること」なので、この項目は2期のなかで最も強い裏付けになりました。

③ バヌーシーにとって「ゆかりの牝系」の4頭目、そして初の牝馬

タイムトゥヘヴン(3,800万円)・エールトゥヘヴン(2,800万円)・ウインドオブヘヴン(4,800万円)はいずれもDMMドリームクラブの募集馬で、全頭が戸田博文厩舎です。クラブ・牧場・厩舎がこの牝系を継続して扱っており、本馬は4頭目にして初の牝馬にあたります。タイムトゥヘヴンのGⅢ制覇はクラブにとってこの牝系での成功体験であり、募集を続けている理由でもあるのでしょう。


ルーラーシップ産駒の特徴

通算出走頭数1,072頭
通算勝馬頭数409頭(勝馬率 38.2%
EI1.24
平均勝ち距離(芝)1,871.8m
平均勝ち距離(ダート)1,678.9m
主なGⅠ産駒キセキ(菊花賞)、ソウルラッシュ(マイルCS・ドバイターフ)、ドルチェモア(朝日杯FS)、メールドグラース(豪コーフィールドC)

種牡馬リーディング順位の推移

201820192020202120222023202420252026
順位8位5位6位7位7位10位7位11位25位
出走頭数255299349335341287234192130

勝馬率38.2%・EI1.24は種牡馬として確実に優秀な水準で、芝1,800〜2,000mを中心にGⅠ馬を継続的に送り出しています。一方で2007年生まれの現在19歳。種付け頭数は明確にピークアウトしており、2026年は25位まで順位を落としています。産駒の質そのものが落ちたというより世代規模の縮小が主因ですが、「今後の勢い」という点では若い種牡馬に劣ります。ただし本馬にとっては、実証済みの配合を値段が落ち着いた時期に買えるという形でむしろプラスに働いていると考えています。

予定厩舎:戸田博文(関東・美浦)

生年1963年10月1日(茨城県出身)
デビュー2000年(27年目)
通算勝利中央 532勝/地方 9勝
重賞28勝(中央20・地方8)、うち GⅠ 3勝
通算獲得賞金中央 104億5,932万円
代表馬フェノーメノ(天皇賞・春)、シビルウォー、キストゥヘヴン、シンゲン
初重賞勝利2006/03/18 フラワーC(GⅢ)=キストゥヘヴン
初GⅠ勝利2006/04/09 桜花賞(GⅠ)=キストゥヘヴン
2026年成績中央 4勝(163位)・獲得賞金 1億1,035万円

母を管理し、初重賞・初GⅠをもたらしたのがこの厩舎です。さらに半兄タイムトゥヘヴン・エールトゥヘヴン・ウインドオブヘヴン、半姉ガロシェもすべて戸田厩舎で、この牝系の扱いを最も知っている厩舎に入るという点は他の募集馬にはない材料です。

ただし率直に書くと、2026年は4勝・163位と近年は苦戦気味です。通算532勝・GⅠ3勝の実績はありますが、勢いのある厩舎ではありません。1963年生まれでJRAの定年(70歳)まで約7年あるため、本馬の現役期間はカバーできる見込みです。


配合評価

プラス材料

  • 母キストゥヘヴンは桜花賞馬(重賞4勝・27戦5勝・獲得賞金3億2,898万円)。2期10頭の母のなかで、母自身の競走実績はトップクラス
  • 母系が極めて頑健。母27戦、タイムトゥヘヴン37戦、エールトゥヘヴン33戦、ガロシェ29戦と、走り出した馬はほぼ全頭が20戦以上をこなしている
  • 母の産駒でJRAを勝ち上がった3頭はすべてキングカメハメハ直仔産駒。本馬はルーラーシップ産駒=実証済みの配合ライン
  • 半兄タイムトゥヘヴンがダービー卿CT(GⅢ)を制覇。この牝系+キングカメハメハ系で重賞を勝てることは証明済み
  • トニービン3×4/ノーザンテースト4×3の二重クロス。日本の名牝2頭を介した持続力・成長力の重ね方で、サンデーサイレンスのクロスはなし
  • 予定厩舎は戸田博文(関東・美浦)。母・半兄姉すべてを管理してきた、この牝系を最も知る厩舎
  • 募集総額1,900万円・一口9,500円(1次募集20%CBで実質7,600円)。2口取っても実質15,200円
  • 年間保険料361円と維持コストも軽い
  • 453kg/155.0cm/胸囲177.0cmは牝馬として上々のボリュームで、大型すぎず脚元不安の記載もなし
  • 生産・育成ともオリオンファームで一貫。移動によるストレスが少ない
  • 2025年2月13日生まれで2期で最も早生まれ。2歳戦の仕上がりで有利

マイナス・注意点

  • 母は2003年4月25日生まれで、本馬は母21歳9か月時の産駒=超高齢繁殖の仔。一般に高齢繁殖の産駒は馬体の完成度・体質面でリスクが上がるとされる。母は2024年に空胎で、本馬が最後の産駒になる可能性もある
  • 母の繁殖成績は「当たりが少ない」。12頭中JRA勝ち上がりはわずか3頭で、地方止まり・未勝利が大半。桜花賞馬という肩書ほど繁殖としては結果を出していない
  • 同じ父ルーラーシップの半姉ガロシェは29戦2勝 [2-7-9-11]。2着7回・3着9回で勝ち切れないタイプだった。本馬の最も近いモデルケースがこの成績である点は重く見るべき
  • JRAを勝ち上がった3頭も、最高がタイムトゥヘヴンの37戦2勝。勝ち星そのものは少ない一族(頑健さの裏返しで、勝ちきれずに長く走るパターン)
  • 父ルーラーシップは19歳。2026年のリーディングは25位まで後退しており、種牡馬としての勢いは下降局面
  • 戸田博文厩舎は2026年4勝・163位と近年の成績は振るわない
  • 募集総額1,900万円という価格自体が、クラブによる期待値評価を反映している面もある(同じ牝系のウインドオブヘヴンは4,800万円、タイムトゥヘヴンは3,800万円だった)

総評

観点評価
母の現役実績(桜花賞・重賞4勝・27戦5勝)◎◎
牝系の頑健さ(一族が軒並み20〜37戦)◎◎
配合の再現性(JRA勝ち上がり3頭が全員キンカメ系)
クロス構成(トニービン3×4/ノーザンテースト4×3)
厩舎(戸田博文・母と半兄姉を管理)
価格(1,900万円/実質7,600円)◎◎
馬体(453kg/155.0cm・特記事項なし)
種牡馬ルーラーシップの現在の勢い
母の繁殖成績(12頭中JRA勝ち上がり3頭)
母の高齢(21歳9か月時の産駒)
同父の半姉ガロシェが29戦2勝で勝ち切れず
厩舎の近年の成績(2026年163位)


出資判断軸チェック

判断軸適合状況
関東馬かどうか戸田博文(美浦・関東)
募集総額(上限7,000〜8,000万円)1,900万円(上限の約1/4)
大型馬・脚元不安・体質不安の有無453kg/155.0cm、特記事項なし。さらに一族が軒並み20戦超の頑健ファミリー
牝馬を理由に割り引かない✓ 牝馬。牝馬限定戦の選択肢の広さはプラス材料
内国産馬かどうかオリオンファーム(日高町)生産=内国産馬

2期10頭で唯一、自分の5つの判断軸すべてを気持ちよく通過する一頭でした。特に3つ目の軸については、単に「大きすぎない・手術歴がない」というだけでなく、母27戦・半兄37戦/33戦・半姉29戦という実データで一族の頑健さが裏付けられている点が決め手になりました。

個人的な判断軸での出資判断:◎(本命・最有力)

弱点は明確です。母の繁殖成績が肩書ほど良くないこと、母が21歳9か月と超高齢であること、そして同じルーラーシップ産駒の半姉ガロシェが29戦2勝で勝ち切れなかったこと。「重賞を勝つ馬」を狙う出資として期待値が高いとは、正直言えません。

ただ、その弱点は1,900万円・一口9,500円(実質7,600円)という価格に十分に織り込まれていると見ています。同じ牝系のウインドオブヘヴンが4,800万円、タイムトゥヘヴンが3,800万円だったことを考えれば、桜花賞馬の牝馬産駒がこの価格で出るのは今回だけかもしれません。しかも母は空胎が続いており、本馬が最後の仔になる可能性もあります。

自分が一口馬主に求めているのは「無事に長く走る馬に、軽い負担で長く付き合う」ことです。その軸に2期で最も素直に合致したので、◎(本命・最有力)としました。

参考リンク

※一口馬主・出資に関する記載は個人的見解です。出資判断は自己責任でお願いします。